ファッションデザイナー達のリアリティー

アメリカの人気 TVショー プロジェクトランウェイ

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Project Runwayというアメリカのリアリティー番組が好きでよく観ています。ファッションデザイナー達が集まって、毎回テーマに合わせた洋服をデザインし、作って、一人ずつ脱落していくという番組なのですが、デザインを観ていても楽しいし、人間関係も色々あって、面白いです。

現在シーズン16まで出ている人気番組です。

プロジェクトランウェイのメンター役ティムガンと、審査員のニーナ、司会のハイディも、皆それぞれの意見があったり、コメントの仕方も面白いです。Project Runwayは日本ではWOWOWで観ることができます。


Project RunwayでのRip-off

プロジェクトランウェイでは、辛口の審査員が色々と批評するのですが、それを聞いていて思うのが、どこまでが創造性なのかがすごく難しいということ。

rip-off とかcopyとか言われるもの(日本語では言えばパクリ)と、derivative とかinspire の違い(日本語では、~風とか~っぽいとか?)はどこなのか。

体力・メンタル的にも厳しい状況の中で、30分でスケッチ書いてとか、時間をかけて考えることができない状況も影響しているのかもしれませんが、この番組でも、各シリーズでデザインのパクリ騒動はよく出てきます。

有名デザイナーとそっくりとか、他の出演しているデザイナーのデザインを真似しているだとか。

※ ネタバレがあります。似ているデザイナーについて言及しているので、番組の創造性を楽しみたい方はがっかりしてしまうかもしれませんので、読まないほうがいいかもしれません。

 

Kenley Season5

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とっても可愛らしい顔をして、性格がかなりユニークで、ヒール役になってしまった、ケンリーですが、Finalの最後の一番重要なドレスが、Alexander McQueenのドレスと似すぎでした。こちらも審査員から指摘されます。そっくりなドレスを出せる度胸はすごいです。

ショーもテーマがよく分からなくて、彼女が好きなものだけかき集めた感がしました。でも個人的は彼女のヘッドドレスやスタイルは可愛いので好きでした。自分の可愛さを意識している感じの笑顔も嫌いではなかったですが、突き抜けていそうに見えて、最後の最後にちょっとがっかりでした。

ちなみに彼女はその後歌を出しています。

Pulled Down

Maya Season7

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マヤは審査員のニーナガルシアに、ちくりとニナリッチに似すぎよと言われます。2009年あたりのニナリッチは、肩が膨らんでいて、ひらひらつけるのがテーマだったようで。

多分それまでの各回のコンペのデザインもTOP3には入っても、優勝できなかったのは、どこか似ているということだったんだろうなと気がします。フリルを右肩から斜め下に流れている感じのよくあるといえばよくありそうなデザインなのですが、ニーナに指摘された肩ひらひらドレスは、偶然とは考えにくいデザインなので、流石にニーナも我慢できなかったのかも。水をイメージしたテーマのはずでしたが、水というにはちょっと無理のある感じだったし。

マヤは、指摘された次の回のグループチャレンジの回は頑張ってパスしますが、その後辞退してしまいます。タイミング的にもう自分で限界を認めてしまったように見えて、残念でした。

Candice Season14

SM女王的なキャンディスお姉さまです。彼女も綺麗な顔とキャラクターの演出の上手さもあって、素敵な雰囲気のお姉さまなのですが性格は結構きつそうで、途中のグループチャレンジでちょっと怖いかもと思いました。彼女の場合は、Finalのショーの前に、Alexander McQueenの影響を受けすぎというようなことを審査員に言われてしまいました。

それによって似ているといわれた部分を変更し、そのためかショーはあまり面白くない感じに。。用意していた竹のスカートは、McQueenのコレクションにもあったようで、それを意識してしなかったのかも。

ここまであげた3人の女性デザイナーはみんな黒髪、前髪パッツンで、海外では結構癖が強いスタイルなのですよね。個人的な想像ですけど、特定のジャンルに好みが特化していると、そのジャンルの有名デザイナーの影響を受けやすいのかなと思ったり。あとわかりやすいですよね、きっと。審査員もマックイーンのショーとか必ず観てるでしょうし。

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その他のデザイナー

パクリ騒動はたくさんありますが、印象に残っているのは、自分からミッソーニの水着をイメージしてといった性格の良さそうな可愛いデザイナーは脱落させられてしまいました。(どうでもいいことなのですが、個人的にMissoniの水着はかわいいと思います。)

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ちょっとメジャーどころではないブランドと似ているとあまり言われないようで、海外だとSeason15 のErin はDelpozoにそっくりだと言われているし、日本人も出ているSeason16のBrandonはCraigGreenと似ています。

ブランドンは本人も好きなブランドとしてあげているので、derivativeという感じの強く影響を受けているといったところなのでしょうか。

本家のCraig Greenのどきつさが抜けて、マイルドにしてかわいい感じになっているのですが、そのためか最期のショーは単調な感じに。

Project Runwayで多分一番成功しているといえるデザイナーのSeason4 の優勝者Christianも、彼がインターンしてたのもありますがAlexander McQueenの影響が強く感じられます。彼は、自己プロデュースがすごい上手いですよね。まさにテレビ向きの人材。

Fierce Style

リアリティショーの中に見えるリアリティー

 

プロジェクトランウェイは、テレビのリアリティショーなので、ショー的な面白さを優先したキャスティングが強い部分もあって、デザイナーとしての才能よりは、キャラクターのユニークさや、デザイナー経験のない人でも、努力して夢を掴むとかそういうドラマ性の方が、優先されているのかなと感じます。大体どのシーズンも最初に脱落する数人はすごい個性が強くて、かなり面白い変なデザインの服を作るので、好きです。

チームで取り組むプロジェクトは、大抵衝突しそうなメンバーが組んだり、リアリティーショーにありがちな作為的な部分も多いのですが、それと同時にテレビ番組としての視聴者やマーケットを意識した審査員の判断には、時にテレビの世界から現実に引き戻されるリアリティーを感じるときがあります。

印象に強く残っているのは、シーズン8のグレッチェンの優勝と、シーズン14のアシュリーの優勝です。これはプロジェクトランウェイの多くのシリーズの中でも、今のところ最も議論を呼んだファイナルと言えるかと思います。

メンター役のティムガンはどちらの優勝にも疑問を持っていて、番組外で審査に対して明確な不満を言っています。そこからそれぞれのシーズンのファイナルの審査基準が見えます。

シーズン8 モンドが負けた理由

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Season8の優勝者グレッチェンは、彼女のエゴが強い性格もあって番組の初めの方からヒール役という立ち位置です。(ちなみにプロジェクトランウェイは、記念すべきシーズン1のウェンディーから始まり、ヒール役はちょっと実力が足りていないように見えても、ファイナルに残ることが多い気がします。)

ファイナルまで残ったデザイナーのモンドは、自身がHIVポジティブであることを番組中に公表したり、まさに視聴者が応援したくなるキャラクターで、デザインも独自性が高い。番組の流れ的にも、デザインの面白さでもモンドが優勝するかと思っていましたが、まさかの悪役のグレッチェンの優勝。

優勝者を決める段階で、ティムによると、審査員のマイケルコースは、スポーツウェアのデザイナーが優勝してほしいということからグレッチェンを強く推したそうです。ティムによるとマイケルは、彼自身がスポーツウェアをデザインしていたことと偶然ではないと思っているそうです。

もう一人の審査員ニーナも、当初はモンドを推していたものの、マイケルコースに「グレッチェンは君のアドバイスを受け入れて変えたけど、モンドは全然聞いていない!」と言われ、最終的にグレッチェンを推しに変わったとのことです。

結果として、ハイディやティムの説得によっても変えられず、グレッチェンが優勝しました。アメリカのファッションビジネス界で生き抜くマイケルコースの抜け目なさと、人を動かす術を心得ているのがよく分かるエピソードです。

確かにモンドのデザインは、アメリカの一般女性が着るとはちょっと考えにくいデザインでしたけど、グレッチェンはちょっと綺麗目なよくあるデザインで、個性が感じられなかったので、結局デザイン性よりは、ビジネスの観点から決まったような審査でした。またこの結果により、グレッチェンはさらに視聴者から嫌われてしまったため、ちょっと可哀そうな気も個人的にはします。彼女は今はデザインの仕事はやめてしまったようです。モンドは、視聴者人気もあって、その後ゲスト審査員や、All Starsにも参加しています。

この次のシーズンは、美人でファン人気が高いけどスキルは高くないAnyaが優勝します。ティムはViktorの方が優勝すると思ったから驚いたと言っています。この結果は、前シーズンの不評だった審査結果の影響で、ファン人気を重視したのではないかという意見もありました。ティム自身も言っているようにこのあたりのシーズンでは、番組自体が迷走しているような感じもしなくもないです。

シーズン14 プラスサイズモデルの勝利

Season14では、肥満体型でいじめら続けていたキャラクターのアシュリーが優勝します。

ティムガンがWashingtonPostに寄稿した記事では、アシュリーのコレクションに対して、こんなに醜い服は人生で見たことはなかったとまで言っています。アシュリーの勝利はトークニズム(tokenism)の匂いがすると。見せかけだけで、プラスサイズの時代の流れに媚をうったということでしょうか。

ティムの記事にもありますが、特にアメリカにおいてはプラスサイズというのは、巨大なマーケットなのですよね。ただアシュリーの服が、プラスサイズの人のために良くデザインされたものではなく、実際ファイナルの前に接着剤で服を直したりしています。ティムによると、審査員自身も洋服ではなくプラスサイズのシンボルに投票したといっているそうです。

Ahleyはプラスサイズ用のアクセサリーとか売っているようです。プラスサイズ用のアクセサリーというのが何ともアメリカらしい。。

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番組を見ていると、ティムの強い批判にそこまで言うのかと最初は驚いたのですが、ティムが真剣だからこその苦言なのかなと思いました。この番組は彼の人気で成り立っているところもあるので、好きなこと言える立場にあるのかもしれませんが。

ティムガンが出している本をみると、彼の好みとしては上品なのが好きなのだろうなとは思います。

審査員ニーナの本も面白いです。私はニーナのファッションが好きです。

ワインスタイン騒動

プロジェクトランウェイは、ハーヴェイ・ワインスタインがプロデュースした番組なので、2017年のワインスタイン騒動の影響は大きく受けたそうです。冒頭で、ハイディが言うお決まりのセリフ「one day you’re in and the next you’re out」の通り彼の会社の破産と共に、番組自体もなくなるかと思われましたが、以前のBravoに戻りシーズン17の制作が発表されました。

審査員の顔ぶれがどうなるのかはちょっと気になります。またティムの話になりますが、ティムは今の審査員に不満があるそうで(特にザック)、もしティムが発言力を持っているのであれば、審査員が変わるかもなと思ったり。

あと、Project Runwayのゲスト審査員として出演し、All Starではメイン審査員をしているイギリス英語を話すデザイナーのジョルジーナ(Georgina Chapman)は、ワインスタインの奥さんだそうです。(今は離婚したそうですが。)彼女のブランドのMarchesaをレッドカーペットで着るようにワインスタインに圧力をかけられていたとかあったそうです。All Starとか、Under the gunnでもなぜか彼女の紹介の時に、最近発売した香水とかの紹介が入ってるんですよね。彼女が出るときは、心なしかニーナが遠慮しているような気がしていたのですが、まさか制作会社の奥さんだったとは。

ちょっと肌が人工的な感じがしますけど、優雅で好きだったので、今後は審査員として出るのかどうかも気になります。

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